CANVAS LAB デキるシゴトを増やすメディア
BtoB企業の為のセールスDX入門①~BtoBマーケティングとは?~
2021.01.13

まず、営業のデジタルトランスフォーメーションを推進するには、デジタルマーケティングの理解が欠かせません。その上で、まずはマーケティング活動から内容を掘り下げていきましょう。第1回は、BtoBマーケティングとは?から解説していきたいと思います。営業DXの理解に繋がる、BtoBマーケティングとは?
目次
BtoBマーケティングとは?

BtoBマーケティングとは、企業対企業(企業間取引、B2B)に特化したマーケティングのことです。BtoBマーケティングを4Pフレームワークに当てはめて定義すれば、BtoBマーケティングとは「企業に対して、売れる商品を作る、売れる場所で売る、売れる値段で売る、売れる売り方で売る」=「企業に自社商品を効率よく買ってもらう」ための戦略やプロセス・活動となります。例えば、営業マンが汗水たらして1年間、往訪に往訪を重ね、やっとの事で500万円の案件を受注した、というよりも、オンライン上で広告を出して、気になったお客様から問い合わせがあり、定期的なメルマガ、セミナーの開催でそのお客様の興味関心を高め、オンライン商談を数回行った後、1000万円の案件を半年で受注した方が、より効率的ですよね?そのように商談までの一連の流れを効率化する為の活動が、BtoBマーケティングです。
BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い

そもそもBtoBとBtoCの違いを明確にご存知でしょうか。よく耳にはするけど、明確には説明できないという方に向けて改めて解説致します。BtoBとは、Business to Businessの略です。企業が別の企業に対して製品やサービスを提供していく法人間の取引形態のことを言います。一回の取引単価が大きく、また、一度受注し信頼を獲得すると継続的な取引関係に発展しやすいのも特徴です。一方、BtoCとは、Business to Consumerの略です。企業が一般の消費者に対して製品やサービスを提供していく企業対一般消費者の取引形態のことを指します。例えば、家電メーカー、スーパーやデパート、コンビニのような一般消費者に向けて製品やサービスを提供する企業のことを言います。こちらは比較的に一回の取引単価が低く、トレンドの移り変わりが激しい中で消費者のニーズをくみ取り、商品を購入する際に如何に選んでもらうかが重要になります。
BtoBとBtoCの購入までの流れの違い

BtoBでは合理的な流れで購買が行われます。一方で、BtoCでは、その時の感情やトレンドなど合理性だけに頼らない流れで購買が行われます。BtoBでは、数値を用いて分析の上、新たな製品やサービスの導入が検討されます。その後、提案依頼書が準備され業者を選ぶ際に予算や納期等が決められます。そして、各業者からの提案を比較し、社内稟議を経て最終的に製品やサービスの購入に至るのが一般的なプロセスです。そのため、マーケティングを行う上で複数の担当者から納得を得られるだけのシナリオと長期的に信頼関係を築き上げていくコミュニケーションが問われてきます。一方で、BtoCの場合は最終決裁者が購入者本人であるケースが大半で、意思決定にもその場、その時の感情的な側面で判断される傾向があります。
BtoBとBtoCの購買者と決裁者の違い

BtoB取引では、購入までの意思決定をするのに複数の人が関わるのが一般的です。関わる人の例を挙げると、「購入判断の意思決定する人」「意思決定者へ提案する担当者」「中間で提案の承認を行う人」「実際にサービス・商品を利用する人」などです。そのため、一回の取引が長期化する傾向があります。一方、BtoC取引では、購入までの意思決定をするのは1人もしくは複数でも2,3人であることが一般的です。そのため、取引が完了するまでの時間は短いです。
BtoBとBtoCの判断基準の違い

購入する上での判断基準はBtoBとBtoCで変わってきます。BtoBの場合は決済までに複数人が関わることや一回の取引金額が大きいこともあり、様々な側面から合理的に判断されます。例を挙げると「会社の信頼性」「導入実績」「納期」「導入費用とその後の運用費用」「納品後のサポート」「ROI」などです。 その為、顧客のニーズを理解した上でマーケティング活動の計画を立てることが大切です。一方、BtoCの購入基準は購入者・決済者が同一人物であることや比較的取引される金額が小さいことから、経済合理性だけではなく、「なんとなくデザインが気に入ったから」「キャンペーン期間中で安かったから」というような
瞬間的な感情や満足度で購買の意思決定がなされます。その為、本人の感情面に訴えることによって購入が決まりやすいです。例えば、興味を引くキャッチコピーを交えた広告を掲載したり、テレビCMやPRイベントに影響力のあるタレント・アーティストをイメージキャラクターとして起用する手法などが挙げられます。BtoCマーケティングにおいてはデマンドジェネレーションのプロセスが当てはまらないケースがあります。例えば製菓メーカーが新商品を発売しても、
その商品をいつ、だれが購入したかといった明確な情報を手に入れることが出来ないため、それぞれ顧客に対してどんな施策を行えばいいかといったことが分かりません。自動車や不動産のような比較的高価格帯のBtoC商材であれば、顧客のリスト化も可能ですが、不特定多数にアプローチを行うケースが多いBtoCマーケティングではデマンドジェネレーションのプロセスでマーケティングを行うことは少ないでしょう。
BtoBマーケティング手法BtoCマーケティング手法の違い

BtoCマーケティングではひと昔前までは多くの潜在顧客にアプローチできるTVCMや新聞広告、交通広告といった手法が主に用いられてきましたが、最近ではインターネットの発達に伴い、その主戦場がWebへと移行してきています。Webマーケティングのメリットとしては自社商品・サービスやそれに関連するキーワードに興味のある人のみにターゲティングができる点や実施した施策の効果測定ができる点が挙げられます。あらかじめ指定したワードの検索結果に商品・サービス紹介ページを表示させるリスティング広告や検索上位に自社サイトを表示させるSEO、またSNSアカウントを開設して自社に興味のあるユーザーを囲い込むといった手法が近年では注目を浴びています。また、インターネット上でニーズを育てて、そこから実店舗に(オフライン)へ誘導するO2Oや小売店や通信販売店を介さず自社運営するアプリやブログ、メディアといったチャネル(媒体)を使って直接販売するD2Cといった方法も徐々に取り入れられてきています。それに対して、BtoBマーケティングではデマンドジェネレーションというプロセスが重要視されています。デマンドジェネレーションは営業機会を生むための活動全般を指し、リードジェネレーション(見込顧客の獲得)、リードナーチャリング(見込顧客の育成)、リードクオリフィケーション(見込顧客の絞り込み)という3つのフェーズに分かれます。それぞれの段階において実施すべきマーケティング手法が異なりますので順番に解説していきます。リードジェネレーション(見込顧客の獲得)リードジェネレーションは商品やサービスを購入してくれる可能性を持つ人を集める活動全般のことを指します。オフラインで実施されるものでは数多くの顧客リストが獲得できる展示会やあらかじめ自社商品・サービスに興味がある人を集められるセミナーなどが挙げられます。また、オンラインの施策では自社のWebサイトを特定ワードの検索上位に持っていくSEOやWeb広告などが挙げられます。
リードナーチャリング(見込顧客の育成)
リードナーチャリングは獲得した見込み客を育成する段階です。ここでいう育成とは「関係を強化し信頼関係を築く」ことを指します。購買プロセスが長期化する傾向にあるBtoBマーケティングではこのフェーズに力を入れることは重要とされています。このフェーズで効果的な施策はオフラインではセミナーやテレマーケティング、オンラインではメールマーケティングやコンテンツマーケティングが挙げられます。顧客によって興味関心の度合いが異なりますので、セミナーやメールマーケティングの内容はそれぞれのフェーズに合ったものを作成するとより効果的でしょう。
リードクオリフィケーション(見込顧客の絞り込み)
リードクオリフィケーション(見込顧客の絞り込み)は見込み客リストの中から、契約につながる可能性の高い見込み客に絞り込むことを指します。
その為、効果的な施策を行うというよりかはリードジェネレーション、リードナーチャリングの段階で「メールのリンククリックで+1点」、「セミナー参加で+3点」というように顧客のスコアリングを行える管理体制をあらかじめ整えておくことが重要になります。マーケティング部門から営業部門に引き渡す際の要件をしっかりと定義しておき、スムーズに営業活動に移れるよう両部門間の連携が必須になります。このように期間が長くなりやすく、慎重にマーケティングプロセスを踏んでいかなければならないBtoBマーケティングにおいて、顧客をフェーズ分けするデマンドジェネレーションのプロセスが一般的には用いられます。
続いて、BtoBマーケティングにおいて具体的に何をすれば良いのか?について解説していきます。
BtoBマーケティングにおいて具体的に何をすれば良いのか?8つのステップ

1.顧客のニーズを知る
顧客満足度調査や見込み顧客のニーズ調査で蓄積されたさまざまなニーズを分析し、顧客や見込み顧客がお金を払ってでも解決したい課題は何なのか?を知る事が必要となってきます。
2.売れる商品を作る
「お金を払ってでも解決したい課題」に対して、自社の強みを生かしながら、製品やサービスを開発・改善していくこと、もしくは既存製品・サービスに付加価値をつけていくことが、売れる商品を作るためには必要不可欠です。この段階でマーケティングにおける差別化や競合優位性、独自性などが強化されることになります。
3.見込み顧客を獲得する
開発した製品・サービスの見込み顧客を獲得することで、展示会、セミナー(ウェビナー)、電話営業、自社Webサイト活用、デジタル広告などさまざまなマーケティング手法があります。BtoBマーケティングでは、リードジェネレーションと呼称され、見込み顧客へのアプローチをどれだけ効率よく行えるか?が重要となってきます。
4.見込み顧客を育成する
獲得した見込み顧客に対して、中長期的に接点を構築し、信頼関係を作り上げていくことです。BtoBマーケティングでは、リードナーチャリングと呼称されています。
見込み顧客が解決したい課題を調査し、その解決策の提案なども行う。BtoB企業は購買プロセス・検討プロセスが長いため、
中長期的な見込み顧客の育成の重要性・必要性は非常に高いです。
5.案件化・商談化
育成した見込み顧客の中から、確度の高い見込み顧客を抽出・選定し、案件化・商談化していくことです。BtoBマーケティングでは、
確度の高い見込み顧客を抽出・選定することを、リードクオリフィケーションと呼称しています。
6.受注
案件・商談化した見込み顧客に対して見積りなどを行い、実際に受注を獲得することです。この段階で見込み顧客が新規顧客になります。
7.顧客維持
新規顧客を維持して、優良顧客化していくことです。LTV(顧客生涯価値)を高め利益や売上を最大化していくことです。顧客の流出防止のための施策を展開し、購入回数の増加、購入点数の増加など既存顧客からの売上を最大化していきます。
8.顧客満足度調査
既存顧客に対して、自社の製品やサービスの満足度(良い点や不満点)を調査し、自社製品が持つ課題を明確にすることが重要です。以上が、BtoBマーケティングサイクルをベースにしたBtoBマーケティングの活動です。
まとめ
BtoB、BtoCにおけるマーケティングの違いやそれぞれで用いられているマーケティング手法についてご紹介した後に、BtoBマーケティングの具体的流れをご説明しました。より詳細なBtoBマーケティング活動を知りたい!という方は下記のページからお役立ち資料をダウンロードしてみてください!
DX推進の取り組みに悩んでいるBtoB企業、従業員数100名以下の経営陣の方々へ
キャンバスではDX推進に関するお問い合わせ・ご相談を随時受け付けております。DX推進によりお問い合わせ数を8倍に、
商談化率を37%UPさせた実績も御座いますのでご興味のある方は下記ボタンから特設サイトをご覧ください。