採用サイトに必須の情報はコレ!応募者に伝わる制作のポイントを解説
採用したくても、全く応募がない。高額な紹介料を支払い人材紹介会社から採用しても、条件が合わず辞めてしまう。採用活動において以前のように人が集まらないと頭を悩ませている採用担当者の方は多いのではないでしょうか?
最近では、「ダイレクトリクルーティング」「採用マーケティング」という言葉もあり、求人サイトや人材紹介会社を利用するだけなく、併せて自社の採用サイトを制作し、直接アプローチする企業が増えてきました。
そこで今回は、採用サイトの作成に必要なコンテンツ、また制作のポイントをご紹介します。
目次
採用サイトとは?
採用サイトとは、採用に関する情報として企業が求職者に対して募集要項や事業紹介・ビジョンといった内容を伝えるために制作するWebサイトです。
求職者は応募を決める際にコーポレートサイトを閲覧し情報収集しますが、コーポレートサイトでは幅広い情報発信しています。そのため、その企業へ応募したい人のための採用情報が埋もれてしまったり、採用情報自体の濃度が薄くなってしまいがちです。
また顧客と採用応募者ではターゲットが違うため、ほかの情報と同一の見た目で展開してしまうと、訴求する内容が違うのでアンバランスな状態になってしまいます。
このアンバランスさを解消するために、見た目やデザインもガラリと変えて、独立した作りの採用サイトを制作することで、採用に特化した内容をターゲットである求職者に向けて情報発信可能となります。
採用サイトを作成するメリット・デメリット
1ページの採用ページではなく専用の採用サイトを制作する理由と、メリット・デメリットを紹介します。
採用サイトのメリット
採用サイトを制作するメリットは3つあります。
ターゲットに合わせた訴求ができる
採用サイトを制作することで、採用ページだけでは紹介しきれないさまざま種類の情報を提供できるため、採用の対象となるターゲットに合わせた訴求が可能となります。
例えば採用サイトであれば新卒採用向けと中途採用向けの異なった情報を、それぞれ分けて独立したページで展開可能になります。
また応募希望者が必要とする内容をしっかりと採用サイト内に記載することで、採用後のミスマッチを少なくすることもできます。コンテンツが増える分、採用したいターゲットに合わせて響くデザインやページを制作することが大切です。
他社との差別化
採用サイトであれば具体的な情報を載せられるため、自社ついてを求職者によりよく知ってもらうことができます。そのため自社の強みや特徴といった情報で競合他社との違いを知ってもらい差別化を図れます。
また、採用希望者が内定を複数の会社でもらっている場合の判断基準ともなります。理念や価値を理解したうえで応募となるため、希望するターゲット像に近い人物を採用できるようになります。
自社採用サイトへ誘導
自社の採用サイトを採用の受け皿として利用ができるため、検索エンジンやネット広告・SNSからなどから誘導できます。また、求人サイトを見ている応募者も更なる情報収集が可能となり自分がその会社に入社した際のイメージをしやすくなります。
採用サイトのデメリット
採用サイトを制作するデメリットもありますので、理解しておきましょう。
費用がかかる
採用サイトを制作するにあたり、1番のデメリットは費用がかかることです。制作会社への依頼では、採用サイトの制作の費用、維持するための運用・保守費用、また修正や更新があった場合の費用などがかかります。
採用サイト制作費用は、コンテンツのボリューム次第やどこまで任せるかでも変わってきますが、40万円から100万円を超える場合もあります。採用サイトを見る求職者に多くの情報量を伝え働くイメージをしてもらうことが重要なため、画像や動画を多く入れ伝えていくことが必要です。
また情報の変更や画像などの更新も必要となります。修正や更新費用も予算として考えておく必要があります。
採用サイトがあることを知らせる
採用サイトを作成しても、知名度のない会社では見てもらえません。自社を知っている求職者は検索エンジンで検索できますが、会社の知名度がなければ検索もされません。
そのため、求人サイトを利用し目に触れたり、インターネット広告を行い求人募集をしていることを知ってもらわなくてはいけません。その場合には広告費用がサイト制作以外にもかかります。
採用サイトの基本コンテンツ
採用サイトを制作する上で必ず載せるべきコンテンツとは、「自社の伝えたい情報」と「求職者の知りたい情報」です。具体的に説明していきます。
募集要項
募集要項は、職種や業種、仕事内容や給与など、求職者が一番最初に確認する重要な項目です。
人材紹介会社や求人サイト掲載の際は、各サービスが定めている必要最低限の項目しか掲載できません。自社で制作した専用の採用サイトであれば、テンプレート沿った情報だけでなく、自社にとって重要な求める人材のスキルや希望などを詳細に記載できます。応募者側としても、具体的な内容が提示されていることで、求められている業務内容や応募内容の判断がしやすくなります。
募集が多数ある場合にはぞれぞれの職種の業務内容、給与、社員の雰囲気を記載してイメージをしやすく作りましょう。特に新卒採用向けの場合は職種や部署ごとにページを分けて、独自のコンテンツを用意し、入社後のイメージをしてもらいやすくなるよう配慮しましょう。
ビジョン、ミッション
企業ミッションやビジョンは、企業が大切にしている考え方や存続理由、これから進む未来などを掲載します。応募者はその企業の経営方針や事業戦略を知り、自分にその会社があっているのか、考え方が共感できるかを重要視します。
ただし、テキストだけでミッションやビジョンを伝えるのは難しいためできればグラフやイラスト・写真や動画などを使って視覚的にわかりやすく伝えましょう。
事業紹介
自社が行っている事業をしっかり知ってもらうことは重要です。事業紹介では事業の全体像から具体的にどのようなことが行われているのかを紹介します。その中で募集の職種が関わりどのように支えるのかイメージをしてもらいます。
代表メッセージ
代表メッセージは、代表自らが言葉を発することで、企業の考え方を知り親近感を持ってもらいやすくなります。そのために具体的なメッセージを掲載し、入社したらどのようになれるかをイメージしやすくしましょう。
社員紹介
社員紹介では、代表メッセージでは伝えきれない内容や方針をそれぞれのメッセージとして伝えることもできます。写真付きでメッセージとして入れることで人物像がはっきりとし、より熱意を感じ共感しやくなります。
また、可能であれば職種ごと紹介するのもおすすめです。社員インタビューで募集している職種の仕事内容・やりがいなどを紹介することでその職種で働くイメージをしやすく身近に感じられます。その際には画像なども使い雰囲気を伝えましょう。
職種紹介
職種紹介は、具体的に働くイメージをさせるために入れたい項目です。具体的な業務内容やスケジュールを入れます。職種は会社ごとに範囲が異なるため自社の職種での業務を紹介しましょう。
その他、職種ごとに向いている人物像やどんな人を採用したいといったイメージを合わせて掲載することで、より職種ごとのターゲット像に近づけることができます。
応募する上で知りたいコンテンツ
上記では採用サイトの基本コンテンツをご紹介しましたが、ここでは求職者が応募する上でさらに知りたい項目内容を説明していきます。
選考の流れ
選考の流れは応募する上で把握したい情報です。
応募締切:新卒者採用であれば締め切りは必須項目となります。
選考フロー:選考後の流れ、適正検査や面談の回数・方法など記載します。
評価制度・キャリアパス
配属部門でのスキル・ポジションアップといった流れを示します。評価制度の詳細やスキルによって、褒賞や給与として上がるのか、評価の期間などを記載できるとわかりやすく、成長のイメージを持つことができます。
研修制度
研修などの教育制度や、ポジションアップのための研修など、または学習支援制度を記載します。特に新入社員向けの研修だけでなく社員向けの研修、学習支援などを記載すると社内環境改善に取り組んでいることをアピールできます。
福利厚生
福利厚生では、交通費や有給休暇、育児などその他の休暇、出張手当や資格手当、ヘルスケアについてなどの案内をします。また働き方に対する福利厚生、会社独自の手当などを記載します。併せて有給休暇の取得率などを記載することで信頼が高まります。
求職者が企業選びで重視すること
2020年からのコロナ蔓延により、企業の選び方も変わってきました。
「企業選びの軸で、とくに何を重視するように変わりましたか?(複数回答可)」
上記のアンケート結果では 「希望の働き方(テレワーク・副業)ができるか」40%強、以下「企業・事業に将来性があるか」、「勤務時間・休日休暇・勤務地の希望があうか」30%を超えて上位にとなっています。
そのため、基本コンテンツ内に上記の内容を含め記載することで自社のアピールとなります。
「企業のことで、知りたくても自分で調べ切れなかった情報はなんですか?(複数回答可)」
上記の質問では「職場の雰囲気・社風」が50%弱となり、以下は20%台の「評価制度」「仕事内容」「給与・収入」と続きます。
「職場の雰囲気・社風」をどのように表現するかは難しいですが、取り入れていきたい項目でもあります。
出典:転職者心理 [2021年版]en人事のミカタ
参考にしたい採用サイト
上記データのように「職場の雰囲気・社風」がわかりやすい特徴的な2社ご紹介します。参考になるところを取り入れていきましょう。
サイボウズ
>> サイボウズの採用サイトはこちら
サイボウズの存在意義は、「チームワークあふれる社会を創る」です。「職場を知る」のカテゴリーでは、大きく話題になったオフィスのツアー動画があり、職場内を見ることができます。
また自分らしい希望の働ける人事制度としてリモートワークは10年前から取り組んでいます。働き方やリモトーワークへの考え方や、コミュニケーションへの取り組みとしてザツダン制度(1対1の面談、内容は仕事もプライベートもOK)などの紹介をしています。
オムロン
>> オムロンの採用サイトはこちら
オムロンの採用サイトでは、「オムロンの人」というカテゴリーでプロジェクトストーリー・インタビュームービー・リアルボイスの3つが紹介されています。その中にあるリアルボイスでは、「内定者はこう見た!オムロンの魅力」が特に印象的です。
データを元に入社の決め手を紹介しています。内定者のアンケートで入社の決め手は「雰囲気の良さ」が50%という結果でした。その結果を裏付けを紹介しています。創業者記念館バーチャルツアーとして社憲を作った創設者の思いを紹介しているのが印象的です。
参考になる採用サイト事例については、別途、以下の記事でも紹介しておりますのでよろしければご参考にしてください。
>> 参考になる採用サイト事例まとめ厳選8選【2022年度最新版】
応募者に伝えるポイント
上記までで、採用サイトの作成に必要なコンテンツ、参考にしたい採用サイトをご紹介しました。採用サイト制作は、目的とターゲットをしっかりと定めて、そのターゲットの欲しい情報を掲載しましょう。
また応募者が欲しい情報を載せていても伝わらなければ意味がありません。専門用語を減らしわかりやすく、グラフや写真イラストなどをうまく利用して伝えていきましょう。
伝えるには動画を活用するのも効果的です。動画の例えとしてテキストよりも、画像は7倍、動画は5,000倍情報が伝えられると言われています。 動画を活用し魅力を伝えていくことも効果的な方法の一つです。
採用サイトは第一印象が大切です。応募者がパッと見で離脱しないよう、ユーザービリティの高いデザインにして、応募しやすいボタンを配置するなどファーストビューを工夫しましょう。
基本のコンテンツを参考に自社の強みや特徴をうまくイメージしてもらい入社したいと思える会社だとアピールしていきます。他社との違いをどのように表現するかがポイントです。
まとめ
今回は採用サイトに必須のコンテンツと応募者に伝わる制作のポイント、参考サイトなどをご紹介しました。自社を選んでもらえるよう、魅力を伝えるためのコンテンツは働くイメージを持てるようわかりやすく、ターゲットが欲しい情報を載せることが大切です。
自社のサイトを考える前に、評判のよい他社の採用サイト事例を見て取り入れられそうな部分を取り入れていきましょう。
今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。