好感度を上げる「ザイオンス効果(単純接触効果)」とは?ビジネスやマーケティングでの活用方法を解説!

2022.03.03
好感度を上げる「ザイオンス効果(単純接触効果)」とは?ビジネスやマーケティングでの活用方法を解説!

ザイオンス効果は、営業で商談を成功させたり、マーケティングの効果を最大化させるのに役立つ、行動心理学における効果の一つです。

何度も繰り返して接触することで、好感度が上がっていく心理効果のことをザイオンス効果といい、ビジネスやマーケティングでも有効活用できる効果です。ですが、使い方を間違えると逆の効果を生んでしまうこともあるので注意が必要です。

今回はこのザイオンス効果の意味や活用方法について紹介します。




ザイオンス効果とは

ザイオンス効果は1968年に、アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが広めた行動心理学の一つです。

ザイオンス効果は日本語で単純接触効果といい、対象者と繰り返して会う機会を設けることで、好印象や高評価を与える効果のことを言います。

なぜこのような心理が生まれるかというと、人間の認知機能が原因にあります。人に限らず、動物は知らないものに対しては警戒心を抱きますが、見知っていて慣れている対象には警戒が解かれる傾向があります。

この習性を逆手にとったのがザイオンス効果で、最初は興味や関心がない状態でも、ひんぱんに目に振れることで警戒が解かれて親近感を覚えるようになります。

ザイオンス効果を活用することで、接触頻度を増やし、ひんぱんに会うことで例えば営業先のクライアントから契約をとりやすくなったり、意中の異性を口説けるといった成果を上げやすくなります。

ビジネスやマーケティングでのザイオンス効果活用例

ここではザイオンス効果をビジネスマーケティングで活用する方法についてみていきましょう。

営業

わかりやすいのが、BtoBにおける営業活動です。よく「近くまで来たので資料をお届けに上がりました。」と言って、頻繁に客先に足を運ぶ営業マンがいます。

効率を見ると「油を売ってないで新規顧客開拓した方がいいんじゃない?」と思ってしまいますが、ザイオンス効果を加味するとあながち無駄な営業活動とも言えません。

特に、商談を1回だけしただけのクライアントだと、まだ営業マンや会社のことを理解していないですし、好感度も低い状態です。

そこで何かと用を見つけては頻繁に同じ客先に足を運ぶことでザイオンス効果が働き、知らないうちに好感度が上がってきます

3回、4回と足を運ぶうちに「また来たの?」などと言われつつも、「実はね…。」といった以前より心を開いた状態で話ができるようになる可能性が高くなります。

リターゲティング広告

インターネットを使った広告にはさまざまな種類がありますが、ザイオンス効果を最大限に活用できる広告手法と言えば、やはりリターゲティング広告です。

リターゲティング広告は、一度特定のWEBサイトを訪れたユーザーに対して、訪れたWEBサイトに関連した広告を配信するしくみで、追跡型広告とも呼ばれています。広告主が購入してほしい商品にユーザーが行きつくまで繰り返し広告を配信します。

最初は広告を無視している(または意識に入っていない)状態ですが、リターゲティング広告として追尾され、何度も見ることによって知らないうちに好感度が上がり、商品への興味や好感度が高まっていきます。

リターゲティング広告はザイオンス効果を狙った広告手法だと言えます。
リターゲティング広告についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、よろしければご参考にしてください。

>> ターゲティング広告の仕組みと種類を紹介!リターゲティング広告との違いも

テレビCM

大きな予算を投下してプロモーションを行う際に、短い時間で同じコマーシャルを何回も流すことがあります。

テレビCMでも、インパクトのある内容が多いですが、これもザイオンス効果を狙ったひとつの手法です。視聴者に商品の情報を何度も接触させることによって、親しみをもってもらおうという方法です。

もちろん、予算の関係もありますが、長い間で少しずつ知ってもらうよりも、短期間で接触頻度を高めて見込み客に情報を接触させることで、ザイオンス効果により好感度アップの期待を高められます。

null

メールマーケティング

ザイオンス効果はメールマーケティングでも活用できます。

送る側は「何度も頻繁にメールを送ったらうっとうしいのでは?」と心配になってしまいますが、実はザイオンス効果により好感度が高まり、反応が得られる可能性が高いです。

「得られる反応」について、もちろんメールの解除も増えますが、送信本数を増やすことによるメール解除についてはもともと見込み客でなかった可能性が高いので、実はそんなに心配することはありません。

増える解除よりも、ザイオンス効果で覚えられる、好感度が上がる状態への期待の方が高いため、どんどん送った方が良いのです。

ただし、内容が伴っていなかったり、メール受信者の気持ちに寄り添ってない内容ですと逆効果になり、好感度も上がりませんので注意が必要です。

ザイオンス効果を活用する時の注意点

ここではザイオンス効果を活用する時の注意点について紹介します。

ザイオンス効果が逆効果になる場合がある

先ほどのメールマーケティングの話でも触れましたが、頻繁に接触することで逆に好感度が下がるケースもあるので注意が必要です。

頻繁に接触してるのに逆に嫌われてしまった….

というザイオンス効果が機能しない場合の理由については、以下の二点が上げられます。

  • 最初から嫌い
  • 魅力がない


  • それぞれ詳しくみていきましょう。

    最初から嫌い

    1つ目の最初から嫌われているという場合は、そもそも求められていないため何度、接触回数を増やそうが嫌われてる状態がプラスに転じることはありません。

    最低でも好きでも嫌いでもない、フラットな状態でないとザイオンス効果の効き目はありません。むしろ「しつこい」「うっとうしい」といったネガティブな感情を強めてしまう可能性が高いので、そこは相手の反応を見極めながら行動する必要があります。

    魅力がない

    人であれ商品であれサービスであれ、ザイオンス効果がまったく効かないという場合、そのもの自体に魅力がないという可能性があります。

    例えば商品であれば、時代の流れにマッチしていない、そもそも欲しがる人がいない商品に対して、どんな大体的なプロモーションをして顧客との接触頻度を高めたとしても、やはり見向きもされないでしょう。

    人の場合も、不潔だったり、しつこかったり、人として魅力的でなければ、やはり話をまたしたいとは思えません。

    ザイオンス効果を狙うのであれば、最低限、相手にとってメリットがある、必要とされる可能性がある内容でなければダメです。

    接触回数に上限がある

    ザイオンス効果の注意点として、接触回数を増やすことで上げられる好感度には上限があります。

    一般的にこの回数のピークは10回と言われており、それ以上接触頻度を上げてもザイオンス効果は期待できません。

    例えば営業時であれば、サービスや商品を提案するために接触頻度を上げても、10回会っても話が進展しないようであれば、購入しない理由に好感度以外の理由がある可能性が高いです。

    親密になっても効果が得られない場合は、好感度以外の別の理由を疑い、10回をメドに回数を重ねてみるのを一つの目安にしましょう。

    期間を空けると効果が薄くなる

    接触頻度を増やすことで好感度を高めるザイオンス効果ですが、この効果が薄くなる場合があります。というのも、接触する頻度にあまりに間が空いてしまう場合は、好感度の高まりがゆるくなります。

    対象相手の記憶が鮮明な状態で接触頻度を上げないとザイオンス効果が薄れてしまうため、接触頻度を上げる場合は期間を空けすぎないようにしましょう。

    ザイオンス効果以外のビジネスで使えるマーケティング心理学については、こちらの記事にまとめておりますのでよろしければご参考ください。

    >> マーケティング心理学を活用して顧客の心を動かす!今すぐ使える10個の行動心理学と活用事例を紹介

    嫌われることを恐れずに高頻度の接触を持とう

    今回はビジネスやマーケティング活動において、ザイオンス効果を利用して好感度をより効率的に上げる方法について紹介しました。

    ビジネスをしていると「いかに効率よく」という所に目が行ってしまいがちですが、一見、非効率に見えるような光景でも、ザイオンス効果を狙って好感度を上げることで、結果的に顧客と親密になれることもあります。

    ただし、あくまでザイオンス効果の効き目があるのは、相手にとって需要がある、必要とされてる要素があることが前提となりますので、明らかに嫌がっているのにザイオンス効果を狙うと行ってしつこくアプローチをするのはやめましょう。

    適切な距離感でうまく心理効果を活用して効率の良いマーケティング活動をしていきたいものですね。

    今回は以上です。
    最後までお読みいただきましてありがとうございました。

    CANVAS MAIL
    SEARCH
    SERVICE
    弊社の営業資料や企画書、
    販促チラシ、実績資料、
    動画データ等を
    ダウンロードできるサービスです。
    東京オフィス
    〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4-22-10
    ebisu422 3F
    富山ヘッドオフィス
    〒939-8204 富山県富山市根塚町1-1-4
    ASNビル2F
    ベトナムオフィス
    2th Floor, PLS building, 105-107 Co Giang, Co Giang ward, District 1, Ho Chi Minh city, Vietnam