【広告営業マン必見】グロスとネットの違い!広告業界で間違いやすいマージンの計算方法と注意点

2022.03.04
【広告営業マン必見】グロスとネットの違い!広告業界で間違いやすいマージンの計算方法と注意点

マーケティングに携わる仕事や広告代理店のお仕事をしていれば、職場で普通に飛び交っている「グロス」「ネット」「マージン」といった、お金に関することば。

意味としてはなんとなくわかるような気もしますが、これらの言葉、実はちゃんと意味をわかっていないと、とんでもない間違いを犯してしまう可能性があります。

そこで今回は、このグロスとネットの違い、またマージンの意味や、それぞれの計算方法について解説します。




グロスとネットの意味

まずはグロスとネットの意味についてみていきましょう。

グロスの意味

グロスは英語で書くと”gross”となり、「全体で~」「総計の~」という意味になります。収益の面に関しては総売り上げのことを指します。

広告で言うと、広告費の原価と広告費用、また広告出稿にかかる手数料や制作費や消費税をすべて含んだ、広告主が広告代理店に支払う費用の総額となります。

ネットの意味

スーパーなどで販売されているパッケージ食品の分量をみると「NET 200g」などと書いてある場合があります。

これは「正味何グラム」という意味で、パッケージの袋や箱の重さを含まない、内容物だけでの重さで200gの分量がある、という意味になります。

広告で言うと、ネットは純粋に出稿する広告費用となり、代理店からすると広告を出す媒体先の原価となります。

打ち合わせ中などに「広告費」という言葉が使われた場合はネットの金額、つまり純粋に使う広告費用のことを指します。

マージンについて

すべてをひっくるめた広告主が支払うグロス金額から、純粋に広告を出稿するネット金額を引くと、広告代理店にとってのマージンが残ります。

ネット + マージン = グロス



マージンは日本語で言うと「利ざや」「粗利益」となります。
ネットは広告代理店からする広告費として使う「原価」となります。

グロスとネットの違い

グロスとネットの意味を確認すると2つの違いはもう明らかですね。

グロスは広告主にとって広告代理店に支払う広告費を含めた合計の金額です。
ネットは広告代理店にとって純粋に広告費として使う原価です。

グロスとネットは正味(合計)と原価(広告費)という違いがあります。

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グロスとネットの計算方法

ここで改めてグロスとネットの計算方法をみていきましょう。
すでにお伝えしたように、グロスからマージンを引くとネットの金額が出ます。

例を挙げてみましょう。

グロス50万円
マージン10万円

50万円グロス) ー 10万円マージン) = 40万円ネット



簡単ですね。
この場合、ネットは40万円です

ただし、この計算では間違ってしまっている場合があります。

広告予算のネット建て取引とグロス建て

単純に「グロス金額からマージンを引けばネット金額になる」とはならないケースがネット建てで計算されている場合です。
例えば打ち合わせで広告代理店と広告主が以下の取り決めをしたとします。

広告費は40万円」
マージンは2割」



広告代理店からすると広告費は40万円なので、40万円の2割は8万円になります。
この場合はグロス金額48万円となり、同じネット40万円でも先ほどとグロスの合計金額が変わってきます。

別の例をみてみましょう。

マージンは広告費の2割



広告費用を同じ40万円で設定していたとしても、リスティング広告やディスプレイ広告を出稿して1円単位で予算ピッタリ収まることはほぼありません。

例えば「40万円の広告予算」で「マージンは広告費の2割」の条件で、「実際に使用した広告費用が30万円」だったとすると、この場合のマージンは6万円となり、グロス金額は36万円となります。

広告主の担当者が上長に「広告費用はいくら使ったんだ?」と聞かれたら、手数料も含めたグロス金額を提示します。

ところが、広告代理店からすると「いくら広告費を使えるのか」「広告費に対して手数料をどれだけもらうか」と考えることもあるので、この場合は金額が広告費ベース(ネット金額)になります。

取引の際に、グロス建てなのか、ネット建てなのかをしっかり確認しておかないと、請求の際に思わぬ金額の差異が出てしまうことがありますので注意しましょう。

ネット建てとグロス建て、どっちにすべきか

ここで問題になってくるのが、初めて広告を代理店にお願いする、もしくは代理店として初めて広告運用をクライアント任された時に、ネット建てとグロス建て、いったいどちらにすべきなのでしょうか。

広告主目線で見たらネット建ての方が安くすんでよいですし、代理店目線で見たらグロス建ての方が取り分のマージンが増えてうれしいですよね。

日本においてメジャーだったのはグロス建ての方でした。しかし、世界的に見てメジャーなのはネット建ての方になります。

グローバル化によって利用するツールや取引する会社に外資系企業が増えて、今ではネット建ての方が主流になりつつあります。ただ、実際に実務となると、運用金額が少ない場合は代理店側も最低限の固定費用を確保するために固定費の条件を用意することもあり、ケースバイケースとなります。

依頼する側、依頼される側、双方が納得いけばどちらでも問題はありません。

ただし、後々もめないように、契約する時、または契約する前にグロス建てかネット建てかは注意して取引を進めるようにしましょう。

広告主から見たCPAの金額に注意

グロスとネットの計算方法でもう1点注意したい点があります。

主に広告を代理店に依頼する広告主側の話となりますが、広告の効果測定を行う時に指標の一つにCPAがあります。CPAはコンバージョンを1つ発生させるのにいくら広告費用を使ったのかを示す指標です。

例えば、店頭に来店してもらう広告を出稿した場合に5000円で1コンバージョン(1人来店)してるとしましょう。

広告主が広告代理店に広告出稿を依頼している場合、この5000円はネットに対してのCPAになります。つまり、広告代理店に支払っているマージン分は考慮されていないことになります。

極端な話、「1件あたり5500円の利益があるから、CPAが1件5000円ならまだ黒字だ。知名度を挙げたいからこのまま継続しよう」と思っていたとしても、グロス建ての20%でマージンを払っていた場合のグロス建てCPAは6000円。つまり1件あたり500円の赤字となります。

広告主が会社としての利益を考える場合、広告費をグロス建てで考えないと正確な利益がだせなくなりますので、CPAの計算についても注意が必要です。

契約前にグロス建てがネット建てかはしっかり確認しよう

今回は広告営業マンが陥り易い日常業務に潜む罠、グロスとネットの違いを紹介しました。

慣れてくればなんてことはない話なのですが、広告営業マンとして駆け出しの場合、グロスとネットはどっちで考えればよいのか混乱してしまいがちです。

請求時にトラブルにならないようにするためには、契約前にグロス建てかネット建てかを確認することと、打ち合わせ時に電卓を使ってしっかり金額を提示して合意をえておくのがおすすめです。

グロスとネットの違いをしっかり理解して、スムーズな商取引を心がけましょう。

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