クロージングでは何するべき?営業の成約率が上がる7つのクロージングテクニックを紹介!
クロージングとは、ビジネスや営業活動において顧客と契約を締結することを意味します。
営業活動をしている営業マンにとってクロージングできるかできないかのタイミングは、課せられた数字を達成するために重要な局面になります。
「最後のもう一歩で受注につながらない」
と悩んでいる営業マンも多いのではないでしょうか。
ただ単に買ってください、契約してくださいでは、お客さんは逃げてしまいます。では、どうすれば営業マンとしての成約率を高めることができるのか。それは、クロージングのテクニックをどれだけ知っているかにかかってきます。
今回は、クロージングとはどういった流れで行うもので、どんなテクニックがあるのかについて紹介します。
目次
クロージングとは?
クロージングには英語でいう”close”の「閉じる、終える」といった意味がありますが、営業活動におけるクロージングは「顧客との契約」を意味します。
「顧客との契約」と言葉にしてしまうとたったの6文字ですが、BtoBの営業活動においてクロージングまで至るのは簡単なことではありません。
まず顧客とのファーストコンタクトがあり、ヒアリングをして提案をし、検討段階に上がったうえでクロージングを行います。
そして、提案した先の顧客の心が動いた時にクロージングが完了します。その後、顧客が社内で稟議や決議を通した上で契約を交わして受注となります。
- クロージングまでのフェーズ
- ファーストコンタクト
- ヒアリング
- オファー
- クロージング
- 契約
企業の顔としての営業マンは売り上げの数字に責任を持って活動をしています。
その中で複数人の営業マンがいると、デキる営業マンと売れない営業マンが存在します。売れない営業マンも時間がたてばデキる営業マンになれるか、というと残念ながらそういうわけではありません。
逆に、デキる営業マンは、入社してそんなに時間が経っていなくても、バンバン仕事をとってきたりする場合もあります。
それでは、デキる営業マンと、売れない営業マンにはどのような違いがあるのでしょうか。その一つにクロージングのテクニックに差があります。
営業の成約率を上げるクロージング方法とは?
営業のクロージングにおいて成約率を高めるためにはどのような方法があるのでしょうか。
先ほど、デキる営業マンと売れない営業マンが存在するという話がでましたが、この2種類の人たちの違いには、クロージングまでの過程をイメージ出来ているか出来ていないかで差が出ます。
デキる営業マンは、先ほどのクロージングまでの5つのフェーズにおいて、最初の1段階目であるファーストコンタクトの段階からクロージングをする前提で会話をし、クロージングを意識しながら行動しています。
対して売れない営業マンは、1段階目であるファーストコンタクトの段階で、テレアポや問い合わせ対応に意識がいってしまいます。アポが取れて会話を終えた後も「次はヒアリングしなきゃ」というヒアリングすること自体に意識がいってしまっています。
この部分は営業マインドと言い換えることもできますが、デキる営業マンは最初からクロージング前提で話を進めますが、売れない営業マンは「都度対応」「御用聞き」「見積営業」でクロージング前で止まってしまうのです。
営業の成約率を上げるためには、顧客の課題に耳を傾けながらも、常にクロージングが完了する状態をイメージしながら営業活動を行う必要があります。
クロージングテクニック7選
それでは次に、営業活動における最後のフェーズ「クロージング」において活用できるクロージングテクニックを紹介します。
BANT条件を押さえる
クロージングがうまくいかない場合はBANT条件が押さえられていないというケースが往々にしてあります。
BANT条件とは、営業を行っていく前提条件として押さえておくべき4つの頭文字をとった顧客の情報です。
名詞 | 訳 | 内容 |
---|---|---|
Budget | 予算 | 商品、サービスを検討できる予算を持っているか |
Authority | 決済件 | 提案の実施可否を誰が決めるのか |
Needs | 必要性 | 提案する商品・サービスが必要かどうか |
Timeframe | 導入時期 | いつまでに商品・サービスが必要か |
ヒアリングの段階でBANT条件を営業側が握れていないと、そもそもクロージングまでもっていくための提案が難しくなってしまいます。
最低限、BANT条件は把握した上で提案を行っていきましょう。
テストクロージング
クロージングの際の話法で有効なのがテストクロージングを行う方法です。
テストクロージングはその名の通り、会話においてテストでクロージングを仕掛けていくことを言います。クロージング時以外に、BANT条件を聞き出す際にも活用できます。
例えば以下のような会話です。
「もし契約するならいつから稼働可能ですか?5月ですか?それとも6月ですか?」
「200万円以内であれば購入検討余地はありますか?それとも150万以下でないと厳しいですか?」
「仮に〇〇だとしたら」といった仮定の状態で話を進め、担当社に具体的なイメージをわかせつつ温度感を上げてクロージングにつなげる方法となります。
相手に返答してもらう際に「はい」or「いいえ」よりも、もっと具体的な「A」or「B」といった具体的な内容にするのがベターです。
イエスアンド話法を使う
クロージング時のテクニックの1つにイエスアンド(Yes , and)話法があります。
イエスアンド話法の逆がイエスバット (Yes , but)話法です。イエスバット話法の場合は「そうですよね。しかし~」と、肯定した後に否定で切り返します。
人間誰しも否定はされたくないので、反論されると心が閉ざされて構えてしまいます。そこで使えるのがイエスアンド話法です。
例えば以下のようなやりとりとなります。
「そうなんですよね。だからこそ今、考えなければいけない時ですよね。」
「そうですよね。通常であればそうかもしれませんね。」
イエスバット話法のように否定はせずにアンド(and)で繋ぎ、相手に「え?どういうこと?」と思わせて会話の応酬を続けます。
頭の回転や、引き出しの数がモノをいいますが、否定せずにやりとりを続けるため、相手を身構えさせずに会話の流れでクロージングに導きます。
第三者話法を使う
(他の人が言ってた。事例を出す)
次のクロージングテクニックは第三者話法を使う方法です。
第三者話法は名前の通り、その場に居ない第三者の意見、見解をクロージングに活用することです。
例えば、以下のような流れです。
「早めに導入したおかげで〇〇しなくてすんで良かったとおっしゃってました」
提案している本人が「~しましょうよ。」と促すのではなく、同じような状況下にあった別のクライアント(第三者)が言っていましたよ、ということで説得力を増す方法です。
イメージさせる
さて、これまでのテクニックでどんどん顧客はクロージングに近づいてきています。目の前の顧客はいよいよ「やる」「やらない」で悩み始めました。
そんな時の会話で使えるテクニックが、顧客に未来をイメージさせる方法です。
顧客に未来をイメージさせる際に2つの方向性が考えられます。1つは、提案している商品、サービスを利用しなかった場合に被る不利益。もう一つは利用することで得られる利益(ベネフィット、恩恵)です。
不利益で攻める場合は、「このままだと〇〇は解決されないままなんですよね。」など顧客の抱えている課題をもう一度話したり、「このままいくとどうなりそうですか?」といった、不利益を被るイメージを連想させましょう。
利益をイメージさせる場合は、自社の製品、サービスを売り込んだり説明するのではなく、あくまで顧客の悩みが解決するところに焦点を当てて話をするようにしましょう。
ドアインザフェイステクニックを使う
ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは、最初に難易度の高い要求を提示した後に、難易度の低い要求を提示して、最終的にこちらの要求を飲んでもらいやすくする心理テクニックです。
例えば、見積を出すときに社内で調整した結果、200万円で提出できるようになったとします。その際に、ほかのプランやサービスも加えた1.5倍高い300万円で見積を提出します。
300万円は厳しいだろうという見込みの上で提出し、顧客との調整の上で200万円の見積を提出して「安くなった」と感じさせるテクニックです。
ただし、このテクニックはコンペなどで複数の対象から選ばれる環境にある場合は、逆に不利になってしまうこともあるので注意が必要です。
売り込まない
さて、それではクロージングも大詰めを迎え、目の前で顧客が提案に乗るか乗らないかの最終段階まで来たとします。
この時に、顧客が沈黙することが往々にしてあります。顧客の沈黙はクロージングできるか出来ないかの瀬戸際であると認識しましょう。
顧客が沈黙際、絶対にやってはいけないことが、こちらから売り込んだり、話しかけたりすることです。
提案中に顧客が沈黙したら、やるかやらないかを悩んでいる最中です。脳内でいろいろ計算をして考え込んでる最中ですので、こちらも顧客の沈黙に合わせて沈黙しましょう。
沈黙が1分でも2分でも待ちます。
こちらからしゃべらずに、相手が発言するまでぐっとこらえて待つことで、クロージングの可能性はぐっと高まります。
ここで自分から話かけてしまうと顧客は逃げます。ぐっと無言に耐えて、相手からの質問を引き出しましょう。
案件をクロージングにつなげるために
今回はクロージングで営業が意識すべきことと、成約率を上げるための7つのクロージングテクニックについて紹介しました。
今回紹介したクロージングテクニックについては、営業が抱えている案件を契約に至らせるための最後の一押し部分となります。
根本的な成約率をアップするための営業マンとしての心得は、顧客の側にしっかり経ち、まずは問題解決できる価値提供が前提となります。
上司や顧客の言われたことを聞くだけではなく、その裏にある背景や理由にしっかり意識と思考をめぐらせて、先回りができる営業マンを目指しましょう。
今回は以上です。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。