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4C分析と4P分析の違い!分析手法の違いや活用方法を解説【無料で使えるテンプレート付き】
2022.01.28

企業が顧客にサービスを提供する時に必要になってくるのがマーケティング戦略です。インターネットの普及によって「モノ」「コト」「サービス」が溢れてる今、なんの戦略もなしにサービスを展開してもなかなか軌道に乗せることは難しいでしょう。
多様化した顧客のニーズにいかにして答えていけばよいのか。
そのマーケティング戦略を立案する際に重要になってくるのが「4C分析」です。4C分析は顧客側の視点に立って分析する手法ですが、呼び方が似ている手法に「4P分析」があります。
この2つには一体どんな違いがあるのでしょうか。まずはこの2つの分析手法の違いからみていきましょう。
目次
4C分析と4P分析の違い
「4C分析」「4P分析」と似ている2つの分析方法ですが、4P分析の方が歴史は古く1960年にエドモンド・ジェローム・マッカーシー氏が定義した「4P」の概念が主流となっています。「4P」というだけあって、4つのPの頭文字で構成されています。
4P分析の4項目
Product | 製品・サービス |
Price | 価格 |
Place | 流通・販売経路 |
Promotion | 広告宣伝・販売促進 |
インターネットが普及する前の世界では、良いものを作り(Product)、価格戦略を練り(Price)、どこでどうやって売るのかを仕入れから販売経路をしっかり確保し(Place)、費用対効果の合うCMや広告を打つ(Promotion)という4つのPの視点を「売り手目線」で戦略立てていました。
当時はそれでよかったのですが、サービスや商品が溢れて消費者のニーズが多様化するにつれて、顧客の消費行動にマッチした商品を企業側が提供していく必要性が生まれてきました。
そこで登場したのが「4C分析」です。
今まで「企業視点」だった4Pが「顧客視点」の4Cに変化し、どうすればその商品が購入に至るかのベネフィットを明確化してくことになります。
4C分析の4項は以下の通りです。

4C分析の4項目
Customer Value:価値
必要性、便利さ、性能だけでなく、ブランドイメージやベネフィットなど、その商品を購入することで得られるあらゆる価値が含まれます。
4P分析ではProductという「完成した商品・サービス」でしたが、顧客にとって購入するに値する「価値」があるか、という顧客目線に変わっているのがわかります。
Cost:お金
4P分析に登場したPriceは直訳すると「価格」ですが、4C分析ではCostという「費用」を表す言葉に変化しています。
「この値段ですよ」という企業目線ではなく、「これだけ支払っても手に入れる価値があるのか」という顧客目線に変化しているのがポイントです。
Convenience:利便性
利便性ではその商品・サービスへのアクセシビリティーが問われます。
4P分析のPlaceでは、企業が流通方法を「選ぶ」立場でしたが、4C分析では「顧客の目に止まらせる、手元に届けるためにはどんな方法があるか」という視点で考えます。
Communication:コミュニケーション
昔であれば、販売促進の方法はテレビCMやラジオコマーシャルなど、企業から顧客への一方通行のものがほとんどでした。
しかし、インターネットの普及した現在ではオフラインだけでなくオンライン、イベント、SNSを活用したコミュニケーションなど、商品・サービスを知ってもらうためのコミュニケーションや、質問、相談のしやすい窓口の開設などが重要になってきます。
製品(Product) | → | 顧客にとっての価値(Customer Value) |
価格(Price) | → | 顧客が費やすお金(Cost) |
流通(Place) | → | 顧客にとっての利便性(Convenience) |
販売促進(Promotion) | → | 顧客とのコミュニケーション(Communication) |
売れる時代から買われる時代へ
今よりも商品、サービスが少なかった時代であれば「今までにない新しくて斬新なサービス・商品」を開発することが、今よりは比較的容易でした。
しかし、情報過多の現在では「今まで誰かが作ったことがあるもの」や「どこかでみたことあるもの」になってしまう可能性が飛躍的に高くなってしまっています。
だからこそ、「他の商品とはここが違う」といったブランディングや、ニッチでも良いので「この属性の人たちに商品を届ける」といった差別化、戦略が重要になります。
4P分析と4C分析がどういうマーケティング戦略におけるアプローチ方法なのかがわかったところで、次は具体的な活用方法についてみていきましょう。

4C分析の活用方法
まず、3C分析を行い市場と自社と競合の立ち位置を把握しましょう。3C分析についてはこちらの記事で詳しく紹介していますのでよろしければご参照ください。
→ 3C分析とは?競合と差別化を図るマーケティングの基礎を踏まえて自社サービスを分析しよう
その上で、今回ご紹介した4P分析と4C分析を行っていきます。具体的な4C分析の活用方法については以下のようなケースで活用します。
自社による既存商品の分析に
商品やサービスの需要は時の流れと共に変化し、同様に消費者のニーズや動向も時代と共に変化していきます。
ですので、もし商品やサービスの売り上げが落ち込んだ時なども慌てずに、4P分析と4C分析を活用してニーズと現実の乖離を再マッチングさせ、売り上げの回復を目指しましょう。
自社による新規商品開発時の分析に
商品開発部や社長によるアイデアにより、鶴の一声で新サービスをリリースしてしまうのは企業あるあるです。
一部の人のカンや経験に頼るだけでなく、新しい試みを始める時こそしっかり分析して、4P分析と4C分析のフレームワークをしっかり行っていきましょう。
競合との差別化を図りたい時に
「ライバルがいていつも1位になれない。」という状況があった場合に、「価格で負けてるから」「機能で負けてるから」と1点だけを見て諦めてしまうのは軽率です。
本当にそうなのか。
勝てる見込みはゼロなのか。
競合との差別化を図ったり、現状を打破するためのきっかけを見つけるのにも4P分析と4C分析は有効です。
自社、顧客、だけでなく、時には競合と自社の比較を行い、自社製品・自社サービスの足りてない部分を補うきっかけにもなり得ます。
4C分析の事例
これで4C分析のやり方は完璧ですね!
・・・といいたいところですが「具体的にどうやればいいかわからない….」なんて人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、簡単な4C分析のフレームワーク事例を紹介しますのでご参考にしてみてください。
今回はUBEREATSを例に挙げてみます。
ぜひ参考にしてみてください。
UBER EATSの4C分析事例
Customer Value | コロナ禍で人との接触を最大限に下げながらお店のフードを家で楽しむことができる |
Cost | 手数料で割高になる心理的ハードルを下げるために初回限定2500円割引クーポンの発行などを行っている |
Convenience | スマホがあればアプリで気軽に利用でき、自宅だけでなく受け取り先を自由に設定できる |
Communication | 定期的な割引キャンペーンを行う他、PAYPAYなど身近な決済サービスとのタイアップ企画などを行っている |
4C分析用のテンプレート
これからすぐにフレームワークを行えるように、ダウンロードして印刷すればすぐに使える4P分析と4C分析のテンプレートをご用意しました。
以下のリンクよりダウンロードしてお使いください。
なお、利用にはパワーポイントのソフトが別途必要になります。
※新しいタブでPDF資料が開きます。開きましたら「名前をつけて保存」でダウンロードの上、印刷してお使いください。

まとめ
今回は多様化した顧客のニーズにしっかり応えていくために必要なマーケティング手法、4C分析について紹介しました。
消費者の動向が多種多様になり、サービスや商品が世に溢れている現在だからこそ、自社の新サービスや新商品をリリースする時は事前に入念な分析が必須になってきています。
顧客視点から気づきを得られる4C分析は、現状で足りてない要素を洗い出したり新たな気づきを得られる大切な機会となるはずです。
ぜひ一度、時間をしっかりとって4C分析をしてみて、自社のサービスや商品としっかり向き合ってみてはいかがでしょうか。
それでは最後までお読みいただきましてありがとうございました。